株式会社よつば

セミナー報告SEMINAR REPORT

片麻痺者の生活行為へのOTアプローチ ~更衣における感覚情報の段階付けと姿勢制御の関連~

セミナー概要

 今回の講義の中では、行為の成り立ちと中枢神経ネットワークについての説明がありました。その中で、運動前野では運動の企画や準備、プログラムを形成しており、体性感覚入力に強く反応している事、補足運動野では、視覚入力に強く反応している等の説明がありました。また、更衣動作に必要な姿勢制御でも特に予測的な姿勢制御が重要になり、人が服を着る際には服を面として捉え、身体に感覚情報を連続的に取り入れる必要がある事が分かりました。そして、そのためには服の張りを作り出す事がとても重要になり、さらに、服を着た時の感覚があらかじめイメージできている事がより重要ということが分かりました。
実技の中では、バランスボードを使用しての片麻痺体験を行いました。体験を通して代償動作が出現してしまうメカニズムを疑似的に体験できた事で、片麻痺者の身体で起こっている事をイメージしやすくなりました。そのうえで、実際のグループに分かれて、受講生同士で更衣動作を分析し治療を考えアプローチを行えたため、とても分かりやすく受講生同士でも様々な意見交換を行いながら実技に取り組むことができ、とても有意義な研修会でした。

参加者の声

身体に対するフィードバックを通じて、動作が変化していくのを感じられ興味深かったです。

更衣動作等の実技の中で、連続した感覚入力を意識してもらう介入を学べました。明日から臨床に活かしたいと思います。

運動と知覚という点からADLに対する分析がよく理解出来ました。

PTですが、歩行につながる身体の使い方を学習するための準備としても臨床で使ってみたいと思いました。

片麻痺体験をした中で、実際にアプローチされるとより身体の変化がわかりやすく勉強になりました。

「更衣」はただの「行為」ではなく、自身の内観、やる気となる事を改めて学べました。